信州の木と自然素材に包まれた、子育て世代の家

街の景観に溶け込むようにスマートでありながら、自然と共にある豊かさを暮らしのなかで味わえる都市に似合う外観。

外壁はカラマツ材の深溝張り。凹凸の板を交互に張り合わせることで無垢材特有の反り返りを防ぎ、深溝の陰影で外観に豊かな表情を生む。浸透性の自然塗料で木の質感を活かし、明るいグレーカラーが都市の景観になじむ。

都市部においてこそ信州らしい豊かな自然を感じる毎日であるように、庭を15種以上の樹木や山野草で小さな雑木林のようにあしらった。

外との密な繋がりを楽しむため、二面に設けた大きな木製サッシは壁際にすべて引き込めるようサッシメーカーと打ち合わせを重ねた労作。

コーナーに三畳分の琉球畳を敷いた、くつろげる土間サロン。

モダンな和室は「シンプルに、お洒落に」がテーマ。漆塗りの床の間と、淡いグレーで統一した建具と畳の淵がスタイリッシュな印象。

キッチン背面収納は木曽の木工職人の手によるもの。ホオノキは辺材・心材の境界がくっきりと明確では表情豊か。

二階の共有スペースは、工房信州の家の特徴の一つ。個室からあいまいな家族空間へと緩やかに進化させる、工夫のプランニング。この家の共有スペースは家族のシアターコーナーに。二階の床材はカラマツ。一階床のアカマツとの表情の違いを見比べるのも楽しい。