信州の匠を訪ねて

木の表情ががらりと変わる、塗装が大好き

「塗装は面白い、特に“木”を塗るのが大好きなんですよ」と語るのは、(株)大内塗装の代表取締役 大内寿一さん。
「仕上げに何をどう塗るかで、木目の表情や節(フシ)の艶の出方が驚くほど変わるんです。塗りあげたあとには惚れ惚れしてしまうことも」。

どこへ行っても塗装が気になり「この前は高速のサービスエリアで、トイレの壁があまりにキレイで見入ってしまいました」と笑う。

工房信州の家の施工パートナーになり、丸6年。当社が長野支店を構えた頃からのお付き合いだ。

一般住宅の仕上げを中心に請け負うが、なかでも工房信州の家ならではの特徴は“自然塗料へのこだわり”だと言う。
塗装というと外回りを思い浮かべるかもしれないが、無垢材の床をはじめとして室内にも塗装面は多い。メインで使用するのは、食用油の老舗メーカーがつくる100%天然素材の浸透性塗料“匠の塗油”だ。
「塗料の素材にまで気を抜かない住宅会社は、他にはなかなかありません。自然塗料のいちばんの特徴は、ごまかしが効かないこと。素材がそのまま現れるし、拭きムラなど塗装屋の腕の良し悪しも見えやすい。扱いにも気を遣いますが、他ではできないやりがいのある施工です」


自然塗料は、ムラになりやすく、乾くのに時間もかかり気を遣うが
地の素材を覆い隠すのではなく活き活きとした表情を増すのが魅力。

 

「俺が仕上げた建物だ」職人の父の背中を見て

大内さんが塗装職人を志したのは、中学生のとき。塗装職人だった父が、町をドライブしていろいろな建物を通りすがるたびに「ここは俺が塗ったんだ」と話してくれる姿に憧れを持った。学校が休みの日には父とともに現場へ行き、その仕事ぶりを見ていたという。

大きな会社で技術を学ぼうと、高校卒業と同時に修行に出た。
折しも時代は、長野オリンピック関連の建設ラッシュに沸いていた。オリンピックスタジアムや選手村(現・今井ニュータウン)の仕上げ工事に明け暮れる日々。「何万平米もある大規模建築物でも、塗装方法は変わらず手作業なんです。毎日毎日同じ作業を繰り返したことが、体で覚える良い経験になりました」

7年間の修行を経て、25才のときに独立。
2012年には法人化し、今では3人の職人を抱える。
「20代から40代の若い職人で、みんな夢を持った者たちです。夢というのは、何かを買いたい、だから稼ぎたい、というシンプルな欲求で良いと思う。安定ばかり求めて夢を持たない若者が増えてきましたから、自分の手で稼ぐという気概を持った人材を大切にしています」


長野市で塗装屋を創業して17年目の大内寿一さん(41)。
趣味は車とバイク、モトクロス競技もされるそう!


(後編は10月下旬に掲載予定です)

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