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坪庭とは?発祥の起源やおしゃれに取り入れるためのポイントを事例を用いてご紹介!

公開日:2023/09/07(木) 更新日:2023/09/22(金) 家づくり

坪庭とは?発祥の起源やおしゃれに取り入れるためのポイントを事例を用いてご紹介!

家の中に居ながら緑を楽しむことができる坪庭。家を建てる時には作りたいと憧れる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし実際に作る際にはお手入れの面やデザインなどで悩むことも多いですよね。ここでは坪庭のメリットデメリットから計画する際のポイントまで、事例を踏まえてご紹介します。参考にしてくださいね。

 

 

目次

 

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坪庭とは?

坪庭とは、建物の壁や塀・垣根などで囲まれた、13坪くらいの小さな庭のことを指します。
坪庭は主に、景観を眺めたり季節の移り変わりを感じたり、観賞用としての役割をになっています。

現在では、植栽を施したり庭石や砂利、鹿威しなどの装置を配置したりして小規模な日本庭園を作る他にも、和風に拘らず住宅に合わせた洋風のモダンな坪庭など趣味趣向を凝らしたデザインを取り入れるケースも多いです。

家の中にいながら、光や風、自然が感じられる坪庭は家族の癒しの場となるでしょう。

 

坪庭の起源について

坪庭は、間口が狭く奥行きが長いうなぎの寝床とも呼ばれる京都の町屋の採光と風通しを改善する目的で作られました。元々は寺社仏閣や武家屋敷にあった日本庭園を町屋の中央付近に作ったのが起源だとされています。

住宅の機能面においても重要な役割を果たしながらも、建物内から楽しめる美しい庭として現代まで引き継がれる事となりました。

 

 

坪庭のメリット

美しい景観で見る人の心を穏やかにし、採光や風通しをよくする効果もある坪庭。そんな坪庭を住宅に取り入れるメリットを具体的にご紹介します。

 

お家の中に自然を取り入れることができる

家の中にいながらも、自然を身近に感じ、その美しさを楽しめるのが魅力です。

例えば、青々と生い茂る葉で夏を感じ、紅葉の色付きで秋を感じるというように四季の移ろいを感じることができますよ。また、差し込む光や入ってくる風によっても自然の心地よさを味わうことができるでしょう。
坪庭の周りをぐるりと囲むように部屋を配置すると、どの部屋からも自然が身近に感じられます。

苔と草花

 

通気性がいい

坪庭を設置すると、庭に隣接する位置に自然と窓が増えるため、通気性がよくなります。京町家の風通しをよくするための工夫として取り入れられた坪庭は、玄関脇など風の通りやすい場所に設置されることも多いです。

また、外部の視線を気にせず気兼ねなく窓やカーテンを開けて風の通り道を確保できます。
このように坪庭の窓から通気性と採光が得られることも、坪庭のメリットの一つと言えるでしょう。

 

開放感を演出できる

開放感を演出するのに重要なのは、広さだけではありません。自然な光が入り込み部屋が十分に明るい、視線が抜けて空間に広がり感じられる、外の風を感じることができるなど、開放感のある家にはポイントがあります。

これらの要素は、坪庭を取り入れることで演出できますよ。小さな部屋でも圧迫感を解消し、開放感のある部屋を叶えるために効果的な坪庭は、狭小住宅に取り入れるのもおすすめです。

廊下から見る坪庭

 

近隣の視線を気にすることなく過ごせる

坪庭を中心にコの字型やロの字型の間取りにすると、外からは坪庭が見えないので屋外でありながら近隣の視線を気にすることなく過ごせるプライベートな空間を堪能できます。お風呂に坪庭を隣接させれば、旅館のような贅沢なバスタイムを過ごすことも可能です。
その他、椅子を出して外の空気に当たるくつろぎの場所や、子どものちょっとした遊び場にしてもいいですね。

 

 

坪庭のデメリット

風情があり機能的にもメリットが多い坪庭。坪庭を取り入れることで起こるデメリットも解説しますので、参考にしてくださいね。

 

掃除の手間がかかる

坪庭は小規模なスペースとはいえ屋外なので、掃除を怠ると窓の汚れが気になったり雑草が伸び放題になったりします。景観を楽しむために設けた坪庭を、いつでも美しい状態で保つためにも掃除やお手入れの手間は必須。

坪庭を設置する際には、どこまで庭のお手入れに手間をかけられるのかを考慮して坪庭の規模や植える草花を検討しましょう。

 

断熱性が低くなるおそれも

坪庭を設けることで増えた窓によって採光や通気性はよくなりますが、その分断熱性が低くなるというデメリットにも繋がります。

ガラスは壁に比べて断熱性が低く熱を通しやすい特徴があります。そのため、冬は暖房で温めた熱が外に逃げてしまい部屋が寒くなりやすく、夏は外部の熱が室内へ伝わり、室温が高くなりやすいです。

坪庭を取り入れる際には、部屋を快適な温度に保つために断熱性を高める工夫が必要です。

 

 

家に坪庭を取り入れる際のポイント

家に坪庭を取り入れる際のポイントをご紹介します。ポイントを抑えてより満足度の高い坪庭を作ってくださいね。

 

どのスペースに取り入れるか

坪庭を取り入れる場所として多いのは、玄関脇や浴室、リビングなどが挙げられます。いずれも、景観の良さや採光性、通気性の良さが活かせるスペースに設置したいですね。日当たりや風通しをチェックして効果的に光を取り入れられるか、風の通り道となるかも確認しましょう。

その他、雨が降った時に水たまりができないように水はけの良さも重要です。水捌けがよくない場合は、浸透桝を設置するなどの工夫をおすすめします。さらに坪庭に使用する土を水はけの良いものにするのも効果的です。

 

掃除の手間がかからないようにするには

出来るだけ掃除の手間をかけずに美しい景観を楽しみたいですよね。そのためには、出来るだけシンプルに仕上げることがポイント。

手入れの必要な植栽は数をしぼる、草花のかわりに灯篭や飛び石などを配置する、余白部分を多くとりモダンな印象にするといった方法もあります。枯山水のような閑静な庭園をお手本にするのもいいでしょう。
また、防草シートを敷いて雑草を防ぐ、植える木は落ち葉が少ないものを選ぶなども手入れを簡単にするための工夫として有効です。

土間から見た庭

 

植樹の選び方

選ぶ樹によってそれぞれ楽しみがあります。坪庭をどのようにデザインしたいか、どれくらい手間をかけられるのか、といったことも考慮して選びましょう。

一般的に四方を壁に囲まれている坪庭は日当たりが悪くなりがちなので、植樹をするなら日陰に強い陰樹を選ぶと育てやすいです。例えば、アオキ・カクレミノ・ヒイラギナンテン・センリョウ・ヤツデなどは比較的弱い光でも元気に育つことができますよ。その他、ツバキ、シマトネリコなどの常緑中高木は一年を通して緑の葉を絶やさないため庭の中でも存在感を発揮します。

また、モミジやエゴノキ、ヒメシャラなどの落葉高木はその樹姿の変化で季節感が溢れる坪庭になります。

 

室内からの見やすさに考慮したデザイン

坪庭は主に室内からの景観を楽しむもの。室内から見た時の美しさを意識したデザインにしましょう。程よい余白を作って、窓から見える坪庭が絵画のように印象的なものになるようにしたいですね。

例えば、庭に配置するアイテムや施す草花だけでなく時間帯によって移り変わる光と影も坪庭を美しく見せるための演出となります。夜にはライトアップして坪庭をうきあがらせるような落ち着いた雰囲気を作るのも素敵ですよ。

眺める窓からの見え方を計算し、ずっと眺めていたくなるような坪庭を作ってくださいね。

夜の家外観と庭

 

 

坪庭を取り入れたお家事例4選

実際に坪庭を作る際にはどんなデザインにしたらよいのでしょうか。ここでは実際に坪庭を作った家をご紹介します。アイディアを参考にしてくださいね。

 

坪庭のある暮らし

京都の老舗旅館や料亭にある坪庭がお好きなご家族。
自宅にも日本庭園をぎゅっと凝縮したような趣のある坪庭を作りました。苔やもみじなど、和の象徴となるようなデザインのしっとりとしたお庭です。

リビングや玄関ホール、廊下から眺められる坪庭は季節ごとに異なる表情を見せてくれます。
春は芽吹き、夏は爽やかな緑、秋は紅葉、冬は雪景色。ふとした時に目に入るこの坪庭を通して季節の移ろいをより感じられるようになったそうです。季節だけでなく一日の中でも陽の入り方によって姿を変える庭。朝露に濡れ輝く様子、夜には室内の照明を落としライトアップされた木々の影を楽しみます。

坪庭を鑑賞する特等席はリビング。床から天井までのフルハイトのフィックス窓で、リビングと外に一体感が生まれます。陽をたっぷりと採り込み、部屋の隅々まで自然光を届けます。

ウッドデッキに出て水やりをする時間も癒しのひととき。お手入れが欠かせない庭ですが、リビングから出られるようになっているため、思い立った時にすぐに水やりをすることができます。大切に育てていく過程も楽しみですね。

 

二世帯を繋ぐ坪庭

中庭のある家の夕方の外観

片流れ屋根がスマートな印象の二世帯住宅。世帯間を緩やかに繋げる空間として坪庭を計画しました。
それぞれの世帯から坪庭を眺められますが、視線は合わないよう配慮し、窓の高さをずらしました。一方は高窓に、一方は地窓に。どちらからも外に視線が抜け、奥行きを感じられます。
夜間はライトアップされて、昼とは異なる表情を見せてくれます。坪庭があることで外観も立体的となり、アクセントとしての役割も担ってます。

玄関正面の坪庭を望むフィックス窓

ただいま、と玄関に入ってまず目に飛び込んでくるのが坪庭。出迎えてくれた庭木に刹那疲れを忘れるかのような光景です。
二世帯を繋ぐ廊下の幅いっぱいにはめ込んだフィックス窓がすっきりと坪庭を切り取り、北側玄関に自然光をたっぷりと採り込みます。
何本かの庭木の下には山野草と苔が植え付けられ、日本庭園をぎゅっと小さくしたような風情のあるデザインです。

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ウッドデッキの坪庭

ウッドデッキの坪庭

こちらの家は坪庭にウッドデッキを設けました。
6帖ものウッドデッキはもみじを中心に子ども達や猫が走りまわることができ、チェアを置いて外リビングのようにくつろぐこともできます。縦格子を設けたことで外部からの視線を気にすることなくいつどんな時にも使え、より使い勝手のよい空間となりました。

坪庭に出られる二か所の出入り口のうち一つは8帖もの土間サロンと繋がっています。土足で自由に過ごす空間が伸び、遊びの幅も広がります。

脱衣所から繋がる坪庭

もう一方の出入り口は洗面脱衣室と繋がります。
格子で目隠しをしたこの坪庭は物干し場としてもぴったり。風を通しながらも、壁に囲まれ雨が吹き込みにくいため様々な洗濯ストレスを解消してくれます。
子育て世帯のバタバタの毎日に洗濯動線の良さは大切ですね。

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おうちキャンプを楽しむ中庭

芝の中庭

コの字型の家の中央に芝生を張った中庭を作りました。
壁に囲まれた中庭は外からの視線を気にすることなく気軽に使うことができるため、オールシーズンその時々の楽しみ方ができそうです。
バーベキューやおうちキャンプ、冬は雪遊び、ボール遊び…元気なお子さんがのびのびと駆け回る様子が目に浮かびます。

夏場は特に日差しが遮られていると居心地がよくなります。
キャンプが趣味のご家族。外壁にはタープを張れるよう予めフックを取り付けました。キャンプギアの専用収納を向かって右手に用意し、そこから出して広げるまでの動線が良いためキャンプギアを日常使いすることができます。

中庭の使い勝手をよくするための工夫がもう一つ。
写真左手のリビングから正面奥の廊下の前までL字にめぐらせた縁側がクッションとなり中と外とを絶妙な距離感で繋いでいます。

中庭に面して開口部を大きくとっているため、室内も広範囲に渡って陽が入り込みます。風も通り抜け、心地よい室内空間となっています。

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まとめ

家の中から眺めて楽しむ坪庭。コンパクトでも光や風を通し、日々忙しい生活の中でほっと心をほぐしてくれる、そんな空間があると家で過ごす時間がより快適になります。
竹や苔を植え付けた和風の坪庭からナチュラルやモダンなテイストまで、ご紹介した例を参考に、お気に入りのグリーンを植えて素敵な坪庭を作ってみてくださいね。

 

 

 

 


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