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松本・安曇野オーナー様の薪ストーブ座談会【前編】

公開日:2024/03/28(木) 更新日:2024/04/15(月) 家づくり信州の暮らし

薪ストーブにどんなイメージをお持ちでしょうか?
かっこいいしなんとなく憧れるけど、大変じゃないの?薪はどうするの?どうやって点けるの?など、気になることも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、実際にご自宅で薪ストーブをお使いのオーナー様に率直なお話を伺いました。今回はその様子をレポートします!

松本・安曇野オーナー様の薪ストーブ座談会【前編】

 

目次

 

 

オーナー様ご紹介

オーナー様ご紹介

(向かって左から)

高須様
松本市【薪ストーブユーザー歴15年】
愛知県出身。学生時代に信州へ。松本市在住。築6年。

上尾様
安曇野市【薪ストーブユーザー歴3年】
福岡県出身。転勤を機に5年前に松本市に移住。築3年半。

森岡様
安曇野市【薪ストーブユーザー歴5年】
大阪出身。転勤を機に10年前に安曇野市に移住。築5年。

西川
安曇野市【薪ストーブユーザー歴3年】
大阪府出身。築3年。フォレストコーポレーション住宅営業 松本エリアマネージャー。

 

 

薪ストーブは最初から入れる予定でしたか?

高須様
珍しいかもしれませんが、実は薪ストーブ2台目なんです。元々長野市に中古住宅を買って住んでいたのですが、友人の関係で薪ストーブを知って入れました。
なので、松本市で工房信州の家を建てる時には薪ストーブ一択でした。
使っていたものを移設するのではなく、色々な人から聞いたり調べたりして「これいいな」と思っていたストーブがあったので、新たに入れました。

西川
ちなみに1台目は何を使っていましたか?

高須様
1台目は、工房信州の家でも扱っているダッチウエストのフェデラルコンベクションヒーターです。普通はスモールを入れると思うのですが、ラージサイズを使っていました。

フェデラルコンベクションヒーター
↑ダッチウエストのフェデラルコンベクションヒーター

今回はどうしてもヨツールがよく採用しました。

西川
私の家もヨツールです。F164という縦長のタイプです。高須様は?

高須様
名前は忘れてしまったのですが、横長で、格子がついた昔ながらのものです。

西川
代表的なデザインのもの(F500)ですね。使い勝手はどうですか?

ヨツールF164
↑ヨツールF164

ヨツールF500
↑ヨツールF500

高須様
いいですね。以前の触媒式もよかったのですが、今のストーブは窓も大きいし、いわゆるオーロラの炎もよく出現してくれるので、楽しく眺めさせてもらっています。

薪ストーブのオーロラ炎

西川
薪ストーブを入れることに対して、ご家族みなさんの反対はありませんでしたか?

高須様
1台目の時は苦労しましたね。
まだその時は結婚しておらず母と暮らしており、反対はありました。でも実際に使ってみて不安を乗り越えたので、2台目を導入する時には誰も何も言いませんでした(笑)。

 

上尾様

僕はまず住宅公園に来て、最初に入ったのが工房信州の家でした。「ここにしよう」とメーカーを決めたのと同時に、薪ストーブも入れることにしたんです。

さっそく翌週DLD(薪ストーブ販売・設置会社)さんに行ってみて、初めて焚いている薪ストーブを見ました。
ドイツの薪ストーブで、「アイアンドッグNo7」日本向けに開発されたという新商品があり、当時は他も見ずに一直線に決めました。今考えると北欧のモデルなども気になりますが…
その時に、斧だけ買って帰りました(笑)。

アイアンドッグ№7
↑アイアンドッグ№7

薪の試し割りもさせてもらい、「意外と薪割りいけるんじゃないかな」と思ったんです。ただ、こんなに一年中木のことを考えるようになるとは思っていなかったですね。

西川
DLDのストーブを見た時は、雷が走ったような感覚でしたか?

上尾様
そうです。もう、すぐです。夏にもかかわらずDLDさんが焚いてくれて。

西川
その時は奥様も一緒に行かれたんですか?

上尾様
はい。諦めがあったのかもしれないですね(笑)でも「いいんじゃない」という感じでした。

森岡様
うちは皆さんと少し違いますね。ハウスメーカーを決める前に妻の方が「薪ストーブ入れるでしょ?」と言っており、設置すること前提でハウスメーカーを探し始めたので、そこは苦労なく決まりました。
「薪誰が割るの?」「いや、アンタでしょ…」と、反論の余地もなく(笑)

薪ストーブ
↑森岡様薪ストーブ

西川
森岡さんは薪割りへのプレッシャーありませんでしたか?

森岡様
そこも「ああそうなんだ」といった感じで特に違和感も無く。

上尾様
その時、薪を割る量など分かっていましたか?

森岡様
いいえ全く…。

上尾様
やってみて初めて分かりますよね。あとは日中家に人がいるかどうかなど、ライフスタイルにもよりますよね。

 

 

薪の使用量・調達方法は?

西川
薪の使用量はどれくらいですか?

上尾様
この冬まで妻と子どもが日中もずっと家にいたので、大体年間で4~5トン(4~5㎥)ほど使っていました。
ただ、木の種類によって燃える速度が異なり、針葉樹を多めに入れた時などは減りが早かったですね。近くのリンゴ農家さんからリンゴの木をもらって、凌いだこともあります。

西川
木の乾燥状態は大丈夫でしたか?

上尾様
もらったのがリンゴの収穫が終わった時期だったので、割った後3~4か月乾かし、他の木と一緒に燃やしてかさ増ししました。

森岡様
リンゴの木って熱量少なくないですか?温度が全然上がらないよね、と話したらみんな「そうそう」と経験があるようで。

上尾様
本当ですか。僕は混ぜて使っていたので熱量の違いは感じなかったですね。もう背に腹は代えられないので(笑)

森岡様
とりあえず何でも(笑)

上尾様
燃えてくれれば(笑)

高須様
高温にしておけばね。

上尾様
そうですね。(炉内が高温であれば)多少乾燥が甘くても問題なく燃える気がしますね。

西川
始めの4~5トンの薪はどのように用意されたのですか?

上尾様
林業の会社さんに頼んで、2mの原木をトン単位で買っていました。

薪の原木

西川
金額はどのくらいでしたか?

上尾様
配達料込みで4~5トンが8~10万円くらいですね。
それをチェーンソーで玉切りにして割って…と繰り返し、薪にしていました。
自分が割る工数や労働力を考えたら「赤字なのかな?」とも思いましたが、運動にもなりますし、火を見ている時間の楽しみを考えるとプラスでもあるかなと思います。
この春から妻も働きに出たので、今年は薪代がもう少し減るかなと期待しています。

西川
冬の暖房は薪ストーブだけですか?エアコンも併用しますか?

上尾様
以前は薪ストーブだけでした。ただ、正月に実家に帰省して帰ってきた時に極寒だったんですよ。
必要に応じてエアコンのリモート機能を使って暖めたりもしています。冷え込む日は朝起きる30分くらい前にエアコンを稼働させています。

みなさんの薪の使用量と金額、補助暖房はお使いなのかお聞きしたいです。

高須様
うちも量は一緒で、4,5トンです。
長女が生まれた年に家を建てたので寒くてはいけないと思い、初めての冬は宅配で薪を購入し、費用は気にせず使っていました。

それ以降は自分でトラックで取りに行くという条件で、雑木や針葉樹も含め、5トン注文しています。
玉切りにして自宅に持ち帰って割るのですが、それが大体ゴールデンウィーク明けくらいに終わります。その後はツテがあれば貰いに行ってプラスアルファにしています。
今はそんなスタイルになっていますが、だんだんとお金を使わない方向になればいいなと思いながらもなかなか…

西川
高須さんが購入されているのは薪屋さんからですか?

高須様
やはり林業の会社ですね。山の更新を上手にやっていこうとしている会社を人づてで紹介してもらい、注文しています。

西川
一日中焚いていますか?

高須様
そうですね。家族がいつも家に居るので、基本的には一日中焚いています。
夜間焚いて残っている熾きに翌朝薪をくべて焚いているので、気を抜かなければエアコンを使わずに一年過ごせます。
夏と同じような恰好で過ごせるくらいの焚き方をしているので(笑)あまりケチらずにやっていますね。

西川
5トンで8万円くらいですか?

高須様
いえ、その半額くらいです。

上尾様
めちゃくちゃ安いですね。

高須様
おかげさまで(笑)。宅配よりは安くなっているので、今のところいいかなと思っています。

西川
森岡さんは原木を仕入れから…?

森岡様
自分は薪を買ったことがなくて。

高須様
それは素晴らしいですね。

森岡様
調達方法は3パターンくらいあります。
1つ目は安曇野市がやっている里山整備に出て現物支給のような形で貰うパターン。2つ目は河川敷で伐倒する時に配布されるもの。その時に軽トラをレンタカーで借りて、朝一から並びます。ただ、皆さん目利きですので先にニセアカシアを持って行かれて、余っているのはヤナギなどなので、いい木は回ってこないです。3つ目は元々住んでいた地域にある雑木林の持ち主に確認を取って申請を出し、自分で伐倒からやる。といった感じで買ったことはないですね。

軽トラで原木を運搬する様子

高須様
使われているのは大体ニセアカシアですか?

森岡様
ニセアカシアです。あとは別荘地を買った知り合いに敷地内の木の伐倒を頼まれた時など、臨時収入があればそれらも焚きます。

以前リンゴ農家さんに頼まれてリンゴの木を切ったこともあるのですが、木に針金が巻きついており切る時に難儀するわりに(枝が曲がっており)割るのも大変だったので、もういいかなと思っています。

補助暖房は石油ストーブとファンヒーターを使っています。朝妻が寒かったら点けるのですが、自分が負けじ薪ストーブを焚いています。

上尾様
毎朝着火されていますか?

高須様
そうですね。残っている熾きに少しくべて…

上尾様
消えてないですか?

 高須様
消えてないことの方が、一週間の割合としては多いですかね。

 森岡様
消えそうになった時には、(家の前が神社でスギの葉が山ほど落ちるので)スギっ葉を入れるとすぐに火が起きます。ほんの小さな種火があるとなんとかなりますね。

 

 

薪を入れるタイミングについて

西川
みなさんの一日の薪を入れるタイミングを聞きたいです。

私は朝と11時くらいに入れた後は、夕方4~5時に再び着火します。寝るのが早いので夜8~9時くらいに薪をくべて、朝には消えているのですが、みなさんどうですか?

 上尾様
近いです。朝点けて、日中は消えそうになったらくべて、を繰り返します。我々も寝るのが早いですが、寝る前に「ちょっと多めにいれる」というのはやっていないですね。

 西川
朝には消えていて再着火ですか。

 上尾様
1年目は「(部屋を)冷やしちゃダメなんだ」という思い込みがあり、夜中の2時頃に「(冷えてしまう)ヤバい」と目が覚めて(笑)フォレストさんからもらった端材を入れたりしていました。

でも寝ているし、入れなくていいのではと思い直しました。2年目からは「もう1回着火すればいいんだな」と割り切れました。

西川
1年目はすごくハードでしたね(笑)。

 上尾様
一度、薪ストーブを使われている方の話を聞いたのですが、そのご家庭が最後に薪をくべるのが夜0時頃と遅い方だったんです。その時間にくべると朝は熾きが残っているということでしたが、我が家のスタイルだと消えていると思ったので。

 高須様
うちは夜10時頃まで炉内に熾きが多く残っているので、その時にたくさん詰め込んでいます。熾きが少なくなってきた時に詰め込むとくすぶってしまうじゃないですか。ガラスだけが真っ黒になって朝を迎える…みたいな(笑)。
熾きが多いタイミングで普段よりも多めに入れておくと、朝は灰の中に熾きが残っているので、スギっ葉のようなもので復活させるというイメージですね。

西川
布団は薄めですか?

高須様
ものすごく薄くはないですね。一応冬布団はあります。でも朝起きて寒いと感じることはないですね。

森岡様
うちは朝自分が起きた時に一回焚きます。窓が大きいので、昼間は晴れると結構暖かくなるので焚かず、やはり夕方から夜にかけて3回くらい入れるかな。
寝る時のことはあまり気にしていないですね。寒かったら入れるという感じです。朝再着火することが多いですね。

西川
「絶やさないのが一番効率がいい」といったことを最初に言われますよね。

高須様
家を暖めるという意味でもね。

上尾様
それにしても薪ストーブはかなり暖かいですよね。先ほど高須さんがおっしゃっていたように、僕も冬に半袖なんですよ。靴下も履かず、夜も毛布一枚だけです。
温度計で見てみても、2階の寝室は25~26℃を保っていますね。

森岡様
うちも半袖です。うちは薪ストーブの位置がいいのか、一階と二階であまり温度差ができなくて、上が暑すぎることもありません。
薪ストーブが家のど真ん中にあります。その裏に階段があり、吹き抜けになっているのですが、うまいこと空気が回っているような感じで、洗濯物もよく乾くんですよ。


↑森岡様邸のショートムービー

上尾様
洗濯物すごいですよね。カラッカラになりますよね。

 高須様
薪ストーブのお陰様です。

 

◎動画も公開中!ぜひご覧ください。

後編に続く

◎こちらのページもご覧ください。
薪ストーブ|工房信州の家