無垢材とは、自然の木をそのまま切り出した加工をしていない木材のことで、心にも体にも優しい素材です。
ご家族が健やかに暮らすための器として、マイホームに無垢の木を使いたいと考える方が増えています。
人気上昇中の無垢材には、一体どのような魅力があるのでしょうか?
今回は無垢材の特徴やメリット・デメリット、お手入れ方法についてまとめました。
マイホームに無垢材の使用を検討される方は、ぜひ参考にしてみてください!
INDEX
そもそも無垢材とは?
床材などでよく聞く無垢材とは、接着剤を使わずそのまま製材品として利用する木材のことを指します。
無垢材の対になる材として集成材があり、薄い木材を接着剤などで合成した加工品で、フローリングや構造材などによく使われています。
無垢材は木を切り出したそのままの材なので、接着剤などの化学製品を一切使っておらず、体に害のない材であるのが特徴です。
また調湿効果があり室内を快適な環境に整えてくれたり、肌触り足触りが柔らかくて気持ちいい点も人気の秘密です。
無垢材フローリングの特徴とは
フローリングに用いられることの多い無垢材ですが、樹種によってそれぞれ異なる特徴があります。
ここでは、フローリングに無垢材の使用を検討している方に向けて、それぞれの無垢材の特徴をご紹介していきます。
マツ(赤松・唐松)の無垢材フローリング
マツ材は、最初は白っぽい色をしていますが、経年変化で艶が出て深みのある色合いに変化していきます。
特に赤松はやや黄色味がかった色合いに、唐松はやや赤っぽい色合いに変わっていくのが特徴です。
節が多くてあたたかみがあり、自然を感じるナチュラルな床材のため、シンプルな部屋にも良く似合います。
経年変化で色が変わったり、傷がついたとしても、それを含めて味として楽しむことができます。
↑赤松の無垢床
スギの無垢材フローリング
スギ材は古くより日本の住宅で使われることも多い材で、和風なテイストの家によく合います。
スギ材は感触がやわらかいため、素足で歩いても気持ちよいといった利点があります。
その柔らかさゆえに柔軟な加工が可能であり、さまざまなデザイン設計ができます。
スギ材独特のやわらかな触り心地は、ハイハイしても転んでも安心で、小さいお子さんのいる家庭からも人気があります。
ヒノキの無垢材フローリング
温泉などで、ヒノキ風呂の香りに癒やされたことのある方も多いのではないでしょうか?
このヒノキは、日本で古くから親しまれている木材で、その芳醇な香りが人気です。
ヒノキの材を使えば、家の中でいつでもヒノキの香りを楽しむことができるでしょう。
ヒノキは高級な木材といったイメージがありますが、市場ではほかの無垢材と比べて価格変動が激しいため、価格は年によって大きく異なります。
↑ヒノキの無垢床
チェスナット(クリ)の無垢材フローリング
チェスナットとは、クリ材のことを指しています。
木目がはっきりしているのが特徴で、力強い見た目をしています。
木材としても強度が高く、耐湿性にも優れており、キッチンや洗面といった水回りの木材としても優れています。
オーク(ナラ)の無垢材フローリング
オークは、古くよりウイスキーの樽や船に使われている材です。
このことからも分かるように、耐久性と耐水性に優れています。
木目には重厚感と落ち着きがあり、シックな部屋によく似合います。
そんな高級感がありながらも、ほかの無垢材と比べて比較的安価に手に入るといった利点もあります。
足元を支えるフローリングの材としては、申し分ないものであるといえるでしょう。
無垢材のメリットとデメリット
家のフローリングとして、無垢材を検討される方も多いでしょう。
そんな無垢材にもメリットとデメリットがあり、好みは人によって分かれます。
ここでは無垢材のメリットとデメリットの両方をご紹介しますので、購入したあとに後悔のないよう、あらかじめしっかりと確認しておきましょう。
無垢材のメリット
自然そのままの材のため、木材本来の味を楽しめる
無垢材は、自然から切り出した木材をそのまま使用しています。
そのため木材の本来の味をまるごと楽しめるといった特徴があります。
無垢材の色や形は、木によっても、切り方によってもひとつひとつ異なるため、二つとして同じ素材はありません。
唯一無二の素材のため、長年愛着をもちながら楽しむことができるでしょう。
また無垢材はその木独特の香りを放ちます。
好き嫌い分かれるものもありますが、自分のお気に入りの木材を見つければ、まるで森にいるかのような心地よさを家の中で味わうことができます。
経年変化による味の違いを楽しめる
無垢材は、年を重ねるごとに色や艶が変化していく材です。
フローリングなどの集成材は年を経ると劣化してしまうことがほとんどですが、無垢材は味わいを増すように変化していくため愛着も湧きます。
家族の成長とともに家の変化も楽しめるのはうれしいポイントですね。
材が新しいときは切り出したばかりの香りや色を楽しめ、十数年経ったころには色つやが深まり重厚感のある木目へと変化する様は、無垢材ならではの楽しみだと言えるでしょう。
夏はさらっと快適に、冬は暖かく過ごせる
無垢材には調湿効果があり、室内の温度を一定に保つために水分を吸収したり放出したりする働きがあります。
そのため湿気の多い夏場でもさらりと気持ちよく過ごすことができ、裸足のままでもべたべたとした不快感なくお住まいいただけます。
冬場には乾燥した空気を和らげるために水分を放出してくれる作用があるため、自然の調湿作用で快適に過ごせます。
また無垢材には無数の気泡があり空気を含むため、接着剤で張りあわされたフローリングと比べて足下が冷えにくいといった特徴もあります。
冬場は足下が冷えがちですが、無垢材であれば底冷え感を軽減してくれるので、一年じゅう裸足で過ごしているというオーナー様もたくさんいらっしゃいます。
無垢材のデメリット
自然素材ならではの効果で、一見するとメリットばかりにも思えるこの無垢材。
しかしメリットだけではなくデメリットもあります。
どのような特徴があるか、さっそくご紹介していきます。
隙間や反り、ひび割れが起きやすい
無垢材は水分を吸収したり放出したりする調湿作用がありますが、この効果が木材にひび割れや隙間、反りといった症状をもたらすことがあります。
しかし施工前に無垢材の含水率をしっかりと調べて乾燥状態の良い材を使用することで、こういった症状を軽減させることができます。
具体的には含水率18%以下のものを選ぶと、変形が少なくなり強度が高まる傾向があります。あらかじめ含水率の低い木材を選んで使用するとよいでしょう。
柱や梁といった構造材であれば、表に見えにくい位置に下の写真のような背割りを入れておくことで、背割り箇所以外の部分に無作為にひび割れが入ることを防ぐことができます。
古くから使われてきた無垢材だからこそ、いろいろな知恵と工夫で無垢材のデメリットをある程度コントロールすることができるのです。
傷がつきやすい
無垢材は自然の木をそのまま切り出しており、一切加工のない材なので、傷がつきやすいといったデメリットがあります。
特にスギ材やマツ材などのやわらかい素材は、ものを落とすとすぐにへこんでしまうといったことがあるため注意が必要です。
ペットを飼っている家庭では特に、犬や猫などの爪痕が目立ってしまうことがあります。
しかし一方で、集成材では傷がついた際に表面が剥がれてしまい傷が目立つことが多いですが、無垢材なら下地も表面と同じ材であるため傷がついても目立ちにくいといったメリットもあります。
また無垢材は水分を含んでふくらむ性質があるため、木目に少しの水分を含ませることで凹んだ傷を修復することもできます。
水分に注意
無垢材は水分を吸収する特徴があるため、過度な水分が入り込んだ時には木材が膨張し反りやひび割れを生じさせてしまうことがあります。
そのため、無垢材を洗面やキッチン、風呂場に使用したい方は、濡れたらすぐに拭き取る、などのこまめな手入れをすることを心がけましょう。また、無垢材を水回りに使用したいという方は、表面に水をはじくウレタン塗装などの加工を施しておくのもおすすめです。
無垢材を長持ちさせるおすすめのお手入れ方法
無垢材の手入れ方法として主なものは、乾拭きと水拭きです。
さらに長持ちさせるためには、ほかの方法も知っておくと安心です。
ここでは、この先何十年にもわたって無垢材を楽しむためにおすすめの手入れ方法を3つご紹介します。
水拭きをする
基本のお手入れは、水拭きです。
頻度として1ヵ月~3ヵ月に1度のペースでおこなうとよいでしょう。
雑巾がけをする際はしっかりと固く雑巾を絞る必要があります。
また床に水やジュースをこぼしてしまったときは、染み込む前にすぐに拭き取って水拭きしましょう。長時間そのままにしておくと染みになってしまう可能性があります。
クリーナーで汚れを落とす
日常のお手入れは水拭きで、大掃除のときなど半年~1年に1回くらいのペースでクリーナーを使用して汚れを落とすと、よりきれいな状態を保つことができます。
お手入れ方法は、無垢材に適合したワックス兼クリーナーなどの汚れ落とし剤を水でうすめて雑巾を絞り、まんべんなく拭き上げるだけです。
腰をかがめての作業が大変という方は雑巾ワイパーなどを使用すると、立ったまま楽にお手入れができます。
再塗装をする
塗装が痛んできたと感じたら、再塗装をおこなうのがおすすめです。
まずは掃除機で床表面のゴミをなくしましょう。埃が取り除けたら木目にしたがって再塗装を施します。
無垢材の特性を活かすためには浸透性の塗料がおすすめですが、キッチンや水回りなど汚れやすい部分には撥水性に優れた塗料を使うと便利です。
無垢材の状態を定期的に確認し、いつまでも綺麗な素材を目指しましょう。
★無垢床のお手入れ動画もご覧ください!
傷がついたら
生活をしていると、モノを落として床がへこんでしまった!なんてことがしばしば。床のへこみには、水分を含ませたティッシュなどを一晩置いておいてみましょう。傷の深さにもよりますが、朝には元通りになることもあります。
また、へこみに当て布をしスチームアイロンを当ててあげることで傷が目立たなくなることも。ぜひ試してみてくださいね。
★傷や汚れの対処法動画もご覧ください。
無垢材を取り入れた住宅事例
工房信州の家では、柱・梁などの主要構造材、室内の床材や壁・天井の板張り、建具などの毎日手に触れる部分まで、ふんだんに長野県産無垢材を使用しています。信州の豊かな自然環境に調和する住まいに無垢材は欠かせません。信州の森で育った良質な木を、出来る限り自然なまま無垢材として皆様の家へお届けしています。
ここでは無垢材をふんだんに使用した住宅事例3選をお届けします。
雑木林の中に立つ家
穏やかな片流れ屋根の外観。周りの雑木林の緑に溶け込むように、屋根の傾斜などのデザイン、建物高、色合いに配慮した。
上田の町や里山を見晴らすウッドデッキはこの家の特等席。春には山桜が咲き、秋にはカエデなど数種類の広葉樹が色づく。
土間とリビングダイニングは、吹き抜けを共有し一体感のある空間に。唐松の床も美しい。
キャンプするように人生を遊ぶ
タープを張ったように屋根がかかる平屋で、広いデッキ部分はテントの前室みたい。第2のリビングダイニングとして積極的に活用できそう。
北側から見たH邸。山の斜面の傾斜をなぞるように傾く屋根、長野県産スギ板で張った外壁が美しい。壁のメンテナンスも暮らしの楽しみのうちとご主人は言う。
縦にも横にも広がりを感じるLDK.床はカラマツ、柱はヒノキ、梁はアカマツ、天井はサワラ。すべて県産材で、キッチン前の腰板は菌の侵入で変色したブルーステイン材を使用。
伊那谷の暮らしと景色に調和する平屋
切妻屋根の平屋が、南信州の山里の景色によく似合う。土間サロンや縁側みたいなデッキを設け、家を外に向かって開きつながる工夫をした。
キッチン周りは広々とって、背面には家具職人による造作収納を入れた。カウンターは大工による手づくり。階段がなく、まっすぐでシンプルな動線が使いやすい。
リビングは、フルオープンサッシを介し、ウッドデッキや屋外へと緩やかにつながる。生活スペースだけでなく、気持ちも広がり外とつながる。
まとめ
無垢の木は集成材には出せない味があり、木そのものの魅力を長い年月にわたって楽しむことができる素材です。
新たに家を建てる際は、ぜひ無垢材を使用した家を検討してみてはいかがでしょうか?
また長野県で無垢材を使用した家づくりをご検討の方は、ぜひ私たちフォレストコーポレーションにお問い合わせください。
信州産の無垢材を80%以上使用した工房信州の家を、お客様のご要望に合わせた注文住宅でご提案いたします。
床や壁、天井には無垢材を使用し、化学物質を使わない自然に優しい住まいをご提案いたします。
気になる方は、お気軽にご相談ください。
私たちは設計士や施工管理士といった建築のプロでありながら、全社員が「信州コンシェルジュ」として豊かな信州ライフをサポートしていきます。
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