薪ストーブが気になる!実際のところどうなの?と思われる方に、薪ストーブをご自宅で使用されているオーナー様の生の声をお届けします。
今回は松本・安曇野オーナー様の薪ストーブ座談会【後編】をレポートします。
【前編】もぜひご覧ください。
目次
オーナー様ご紹介
(向かって左から)
高須様
松本市在住【薪ストーブユーザー歴6年】
愛知県出身。転職を機に松本市に移住。築6年。
上尾様
安曇野市在住【薪ストーブユーザー歴3年半】
福岡県出身。転勤を機に5年前に松本市に移住。築3年半。
森岡様
安曇野市在住【薪ストーブユーザー歴5年】
大阪出身。転勤を機に10年前に安曇野市に移住。築5年。
西川
安曇野市在住【薪ストーブユーザー歴3年】
大阪府出身。築3年。フォレストコーポレーション住宅営業 松本エリアマネージャー。
使っている道具の話
西川
それでは“相棒”をご紹介ください。
高須様
これは長野市の家で薪ストーブを使い始めた時にDLDさんで斧の試し割りをしていて、そこで初めて出会ったものです。ドイツのメーカーですね。15年もので、今まで一度も壊れたことはないですね。
何かの漫画じゃないですが、「木の呼吸」が分かってきて、どこを切ればスパっと割れるかなんとなく伝わる感じですね。
西川
選んだきっかけはありましたか?
高須様
他と比べたわけではなく体感的なものを大事にしちゃったのですが、「これいいですよ」と言ってブンブン振って割っている人がいたんです。熟練の方だったと思うのですが、「じゃあ僕も…」とやってみたら結構いけたんですよ。「これ本当にいいかも」とすんなり決めました。
妻との結婚式の動画にも一緒に出て、長い付き合いです(笑)。
上尾様
これはウェッタリンクスというスウェーデンのメーカーのもので、個人的に好きなのは皮のアイテムと入っている刻印です。
高須様
いいですね。なんだか洒落てますね。
上尾様
スウェーデンは鉄鋼が有名ですが、すごい手作り感があるんですよね。おっちゃん達が手で叩いて作った感があって、気に入って買いました。
試し割りさせてもらった時もいいなと思ったのと、形も独特なんです。
その後なんだか手斧も欲しいなと思い購入しました。ほぼ使わないのですが、欲しかったんですよね(笑)。これも5年くらい使っていて、頼もしい相棒ですね。
森岡様
これは2本目です。1本目が全体的にプラスチックのようなものでした。最初はスピードで割りにいっていたのですが、重い方がいいなと思って買い換えました。
あと1本目はハンマーとして使うと割れてしまって。楔を使うと粉々になってしまうんですよね。
何かないかなと思っていたら、知り合いがこれを使っていて、ハンマーにもなり一石二鳥ということもあってこれにしました。
作った人のイニシャルの刻印が入っていて、シリーズも重い物から軽い物まであります。
西川
私もこれは2代目で、1代目はハスクバーナのカーボン製のものを使っていたのですが、替えたきっかけはカーボン製を使っていても味が深まっていかないなと。
こういった15年物など長く使われているものを見るとやっぱりかっこいいなと思い、それを目指し木のものにしました。
昔のバイキング(海賊)をモチーフにしたノルウェーの歴史ある、ストーリー性に惹かれて買いました。
上尾様
僕の手斧はパラコードをシンプルにぐるぐる巻いています。西川さんは後ろを編み込んでますね。難しいですよね。
西川
ギュッと締めてやっていくので、手がマメだらけになって(笑)。
ストーブ関連のグッズはストーリー性があってとてもいいなと思っています。
高須様
歴史が長いですよね。
西川
はい、ほとんどモデルが変わらないメーカーもありますもんね。
着火剤の話
上尾様
着火剤はどうされていますか?スギっ葉だけですか?
高須様
そうですね。いわゆる既製品は使っていないですね。牛乳パックは使いますね。あとは薪を割った時の端材ですね。
森岡様
一緒です。牛乳パックかスギっ葉です。
上尾様
それで点きます!?
高須様
そうですね。まあまあ調子良くいくと、マッチ1本でいけちゃいますね。
上尾様
本当ですか!やはり小さなスギっ葉とか端材を集めて置くのが大事なんですか?
高須様
それは結構使えると思いますね。
上尾様
僕はヤマショーさん(薪ストーブ販売・設置の会社)で売っている着火剤を使っているのですが、細かい端材は集めていなかったんですよ。なので薪そのものに点けようとしていたんです。
高須様
それ点けるのきつくないですか?
上尾様
きついです。ただそれでも慣れてきて、大体一発で点けられるようになってきました。でも着火剤一個で点かないこともあります。
西川
私はヤマショーさんの着火剤を使うのですが、1/4くらいに切って端材と一緒に点けてます。薪につけるとなると難しいですよね。
上尾様
よく息を吹いて点けています。ラップの芯を残しておいて、火種を見ながら朝はいつもこのスタイル(息を吹くポーズ)(笑)。ちなみにBBQ用の火吹き棒はすごく良くて、ほぼ100%点きます。
皆さん楽そうに点けてらっしゃるので、やっぱりマメに端材を集めておかなければなと思いました。
リンゴの枝はよく貰うので、最近はそれをよく使うようになりました。それでも吹いてますね(笑)。それが朝のネックになっていて、もう少し簡単にできないかなと…。
とはいえ(薪ストーブが暖かくなるまで)30分くらいかかりません?
高須様
それくらいはかかりますね。
上尾様
点火のために朝早く起きているので、もう少し効率的にならないかなと思っています。なので熾きがあってほしいんですよね。
西川
点き始めに熾きより下に薪を置いた方がいいとか、下から小さく起こしていく方が早そうに見えるけど実は上からやった方が早いとか…工夫されていることはありますか?
高須様
あまり考えてないですね。ただ組めるように(笑)。
上尾様
僕はさっき言ったように、着火剤を使ってますが、乾いていそうで細くて点きやすそうな薪を厳選していますね。最初に3本くらい組み、その下に着火剤を置くようにし、風を送るという感じです。
森岡様
太さにもよりますが、結構いっぱい入れる感じですね。
高須様
私は量はそんなに入れないかな。火が大きくなってきてから足す感じ。
西川
私は教えに忠実にやって、ストーブが小さいからかもしれませんが、15分かからないくらいで立ち上がりますね。
薪ストーブを入れてよかったエピソード
高須様
前半でも言ったのですが、洗濯物の乾きはもうすごいです。長野県で洗濯物で困らないのは薪ストーブのお陰です。
あとは火を見るとか薪を割ったりとかすることで、“自然の中にいる自分”というのを感じられるし、そこに一緒に家族がいて、良い時間を過ごせることがいいですね。
上尾様
僕はお酒が好きなので、火を見て飲みたかったんですよね。やはり冬の楽しみは、ダイレクトにイカを並べて…
西川
ストーブの上に直接!?
上尾様
そう!スルメをそのままバシバシおいて、火を見ながら炙ってるやつを取って食べて…という感じでやっているのですが、炙るとめちゃくちゃイカが旨くて(笑)。他にも鯖缶などつまみを温めるためのアイテムとして使っています。それが一番いいかなと思います。
あと赤外線が出ているのか、離れて座っていてもポカポカが伝わってきて、ソファでうたた寝するのが至福のひと時ですね。
西川
薪のことが年中気になっているとのことでしたが、差し引きどうですか?
上尾様
やはり心の満足度が高いです。
夏に汗水たらして割っているわけですよ。父親が割ったその薪で家族を守っていると思えば「一家の大黒柱として家族が暖を取るために頑張ってるんだ!」と思いながら、冬も寒い中に薪を取りに行っています。
全員
(笑)
上尾様
それをバンバン入れられたり、暑いと言って窓を開けたりされると、「ちょっと待て…!」と(笑)。「これめっちゃ大変だったんだよ」となってしまいますね(笑)。
トータル、お金もかかりますけど、僕は入れてよかったと思いますね。
森岡様
うちは家のど真ん中に置いているんですよね。だから自然とそこに家族が集まることや、周りが静かで(薪が)爆ぜる音くらいしかしないので、エアコンやファンヒーターの音がしないのはいいなと思います。
あと去年から魚を焼いていて。薪ストーブでピザ等も焼いたことはないのですが、友人が「魚めっちゃ美味いよ」と言っていたので焼いてみたらすごくホクホクに焼けて、煙も出ないし掃除もいらないんですよ。
高須様
あ、確かに!
森岡様
全部煙で上がっていくし、中で落ちて灰になるのが楽です。それが去年発見した良いポイントです。
高須様
これまでやってみたのは焼き芋とピザくらいですね。
西川
五徳を置いて、ピザパン(トレイ)みたいなものを置いてその上で焼くんですか?
森岡様
バーベキューコンロの網があるじゃないですか。その上にポンと乗せる感じですね。
◎動画も公開中!ぜひご覧ください。
◎薪ストーブについてはこちらのページもご覧ください。
薪ストーブ|工房信州の家
まとめ
大変なイメージがある一方で、多くの方がボタン一つで点く暖房器具ではなく、あえて着火に時間と技のいる薪ストーブを選ぶ、その魅力は何なのか。薪ストーブの一長一短をご存知のみなさんのお話で見えてきました。
大変とは言いつつも、何だかとても楽しそうなオーナーのみなさん。
薪割りで汗水たらすひと時、着火の試行錯誤、家族が集う温かな時間、調理器具としてまで、かける手間までもを楽しめる、単なる暖房器具以上の役割があるようです。
自然豊かな長野県での家づくりを手掛ける私たちも、この地ならではの「火のある暮らし」をお客様に提案し続けてきました。薪ストーブは、単なる暖房器具を超えた、人生を豊かにする一つの選択ではないでしょうか。
気になる方は県内各地の展示場で実際の薪ストーブをご覧いただけます。ぜひお気軽におでかけください。