愛犬と過ごす、ジャパンディスタイル
北佐久郡N様邸/5人住まい(『住まいnet信州vol.44』掲載記事)
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和と北欧が調和して、温かみのなかに洗練された風合いを感じさせるジャパンディなインテリアスタイル。薪ストーブの炉壁や炉台に使った鉄平席がアクセントになっている。
欲しかったのは明日からまた頑張るために家族が合流できる場所
普段、中信地域で暮らすNさん夫妻が軽井沢にこの家を建てたのは、親元を巣立ち今は東京で暮らす長男、次男も含め家族5人が集まって過ごす時間のためでした。
「いつかは自分も軽井沢に別荘をもってみたいと夢みていた頃もあります。でも、欲しかったのは、仕事をリタイアした後に森でのんびりと夫婦で過ごす時間ではなく、現役世代の今、私も息子らも明日からまた頑張って働くために、リフレッシュする時間であり空間だと気づいたのです」
ご主人の言葉に奥様も頷きます。
「老後のことで子どもたちに迷惑をかけないように貯金するより、自分たちが元気な今、大事な人との時間にお金を使いたいと考えを改めました」
軽井沢なら、自宅からも東京からもアクセスが容易です。土地は観光客で賑わう通りから一本外れた住宅街を選びました。昔から軽井沢で暮らす周りのお宅とも、すぐ隣の緑とも馴染む上品な外観の建物に、浅間石の塀や玄関前の格子がさりげなく特別感を添えています。
その雰囲気に誘われ室内に入ると、吹き抜けから差す柔らかな光に包まれたLDKが迎えてくれました。心も体もほぐれていくのが分かります。「ずっと入れっぱなしにしていたスイッチを、ここならオフにしていいんだ」。そう思えます。
種類の異なる照明によってニュアンスの違いがうまく溶け合ったダイニングキッチン。キッチンはクリ材で造作したオリジナル。高さは、主に料理をするご主人の身長に合わせた。
切妻屋根の上品な二階建て。その外観にホッと心が安らぐ。
玄関の目隠しに格子を施し、門塀を浅間石で施工した。その土地の素材は、新しい家もその環境に馴染ませてくれる。 |
この土地の前の持ち主が大事にしていたドウダンツツジはそのまま残した。土地の記憶を残す木も、この新しい家を歓迎しているよう。 |
毎日を懸命に羽ばたく一人ひとりの夢を支え合う場所

2階に上がると吹き抜けの開放感がいっそう感じられる。窓からの光が白い壁と天井に拡散し、冬の軽井沢でも大空間がすみずみまで明るく暖かい。

長男、次男がこの家に来たときに使う寝室。三兄弟は口をそろえて「この家は、めっちゃ寝れる」と話すそう。
工房信州の家といえば、土間サロンも忘れてはいけません。軽井沢展示場の土間サロンを見て、N家の男性4人が心をわしずかみにされたその意匠と存在感をこの家に再現。床のレベルを周りより低くし、内装素材を変えたことで、LDKとは異なる空気の中で家族が語らい、緑と親しみ、テレワークに謹み、ときにゲストをもてなすことができます。
土間サロンの天井はカラマツで仕上げた。ご主人がこだわった仕事場であり、社交場。 |
土間サロンはリモートワークにも使える。現役世代のセカンドハウスには、恰好のビジネス空間だ。 |
子育て世代にとって家とは家族が育つ場所です。その家は子どもが巣立った後は「帰る」場所になるでしょう。この家は、大事な人と楽しい時間を過ごすとともに、家族が「合流する」場所です。毎日を懸命に生きている一人ひとりが、その羽を休めに集う場所。心を許せるから元気を回復し、また夢に向かって羽ばたいていく家族の、その夢を支え合える場所となるのです。
家族5人のうち男性が4人。愛犬さくらちゃんは奥様の愛娘でもある。
グレーの壁と木部の組み合わせがクールな玄関。照明を工夫してホッとおりつける雰囲気を演出した。 |
薪ストーブは煮込み料理にも使う。ガラス窓が大きな機種で、炎の揺らめきも癒しを与えてくれる。 |
手芸が得意な奥様はツリーのオーナメントも自作する。つくる時間、飾る時間の楽しさは、これを囲む家族の時間の楽しさにつながっている。 |
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DATA
敷地面積 274.98㎡(83.02坪)
延べ床面積 139.52㎡(42.12坪)
1F面積 86.53㎡(26.12坪)
2F面積 52.99㎡(16.00坪)