エアパス工法と性能

エアパスソーラー工法

 

自然エネルギーを活かした住まい

快適性だけを追い求め、屋外環境に左右されない魔法瓶のような家はつくりません。せっかくこの信州に暮らすのですからー。

信州の夏は湿度が低く、どんなに暑い日も朝晩は過ごしやすいです。日照率が高いのも特徴で、特に冬、おひさまのもとで優しい温もりを感じます。そこで、季節の移ろいを楽しみ自然を身近に感じながら、しかも心地よく過ごしてもらえるよう、エアパスソーラー工法を取り入れました。

工房信州の家は、機械設備に頼ることなく、自然エネルギーを最大限活かした住まいです。夏は木陰にいるような涼しさを、冬は陽だまりのような暖かさを、次はあなたが体験してください。

 

 

エアパスソーラー工法とは

壁体内に空気の層(通気層)を設け、家じゅうを空気が淀みなく循環します。屋根の上部と床下にある換気口を季節に合わせて開閉することで、まるで家が衣替えをしたかのように空気の流れを変え、それぞれの季節に最適な室内環境をつくりだします。

 

夏「木陰のような涼しさ」

小屋裏・床下換気口を開けます。

エアパス夏

・床下換気口より冷風を取り入れます。

・通気層に発生する上昇気流にのせて、熱気を小屋裏より排出します。

・熱気とともに湿気を放出し、カラッとした住み心地をつくります。

 

冬「陽だまりのような暖かさ」

小屋裏・床下換気口を閉めます。

エアパス冬

・太陽熱が屋根、壁体内の空気を暖めます。

・壁体内の空気が循環して、住まい全体に暖かさを運びます。

・流れる空気が湿気を抑え、結露を防ぎます。

 

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エアパスソーラー工法 6つの効果

スリッパいらず

底冷えせず、太陽のぬくもりを感じるから、年じゅう素足で過ごせます。

温度差なし

太陽熱で暖められた壁体内空気が家中を循環し、北側も寒いところがなく快適。

 

熱気がこもらない

夏は小屋裏から熱気を排出し、床下から冷風を取り入れます。蒸し暑さのない爽やかな室内環境が自慢です。

湿気をコントロール

熱気とともに湿気も排出し、家中を常に空気が流れることで結露も防ぎます。押し入れも湿気が溜まりません。

 

機械の故障とは無縁

機械設備に頼らない工法なので、故障などのリスクが少なく安心です。

建物の長寿命化

土台や柱などの構造躯体を湿気から守ります。

 

エアパスソーラー工法にこだわる理由

信州の気候を活かし、夏と冬を快適に過ごすために。

長野県の平均年間日照時間は約2,000時間。特に、中部や南部は2,100時間を超え、全国トップクラスの日照時間があり、太陽から受ける日射エネルギーに大変恵まれた地域であることが分かります。(下図)

日照時間

参照:https://graphtochart.com/japan/map-yearly-sunshine-hours2.php

 

また、夏と冬、昼と夜で寒暖差が大きいのも長野県ならでは。一年のうちで最も高い月の平均気温と、最も低い月の平均気温との差(年較差)は、長野では25.8℃もあります。

 

この豊かな自然エネルギー環境を最大限に活かすことができるのがエアパスソーラー工法です。

夏のカラリとした風の力と、冬のぬくもり豊かな太陽の力で、自然エネルギーを最大限利用して快適な居住空間を創造します。また、1年を通して寒暖差の大きい信州で快適に暮らすために、暑さ・寒さのピークをカットし、冷暖房負荷を最低限にする仕組みなのです。

室内温度のイメージ

 

 

自然と共生する暮らしを目指して。

大量生産大量消費の時代に普及したのは「高気密高断熱住宅」。窓を極力小さくし、家を厚い断熱材で密閉することで自然界から切り離す。外気温に影響されずに冷暖房に頼るつくりとすることで、日本全国で同じ住宅が建てられるようにしたのです。その結果、密閉型の魔法瓶のような住まいが多くなってしまいました。

例えば、北海道の極寒の気候から室内環境を守るためや、東京のような、住宅が密集し、かつ、湿度の高い環境と遮断するためであれば、高気密高断熱の住まいが適しているかもしれません。しかしこの信州では、自然と隔離する住宅が最適と言えるでしょうか。

春夏秋冬、一年を通して本当の意味で快適に過ごすためには、機械で温湿度を年中一定に調整する魔法瓶のような家ではなく、自然環境を住まいに取り入れ、上手に活かす工夫をすること―。

魔法瓶のような住まいイメージ

信州の気候を活かすエアパスソーラー工法で、過度な冷暖房に頼らず、自然と共生する住まいを目指します。

 

 

もう少し詳しく、エアパスソーラー工法の仕組み

エアパスソーラー工法では、屋根の上部と床下にある換気口を季節に合わせて開閉することで、夏モード・冬モードの切り替えをします。さらに通気層内に「エアパスダンパー」と「空気取入口」を専用部材として取付けることで、空気の流れをコントロールしています。

 

エアパス換気口

エアパスダンパー

 

床下換気口

夏は地面に近い涼しい外気を取り入れるために、床下にある換気口を手動で開け、冬は閉めます。

 

小屋裏換気口

上昇する通気層の熱気を逃がすため、小屋裏のいちばん高いところに設置します。夏は開けて、冬は閉めます。室内の引き子で開閉ができます。

 

 エアパスダンパー

逆止弁がついた形状で、上昇気流(内側から外側)だけを通し下降気流は通さないつくり。冬の夜間、屋根・外壁で冷やされた外側通気層の下降気流を逆止弁でストップさせ、壁体内結露と室温低下を防止します。1軒の家で100~130個壁内に取り付けられ、エアパス工法の心臓部と言えます。

 

空気取り入れ口

エアパスダンパーとセットで取り付けられます。外側通気層と内側通気層を繋ぐことで、空気の流れが生まれます。

 

断熱材

柱間に発砲系断熱材(ポリスチレンフォーム)を施工しています。圧縮に強い断熱材が耐震性の向上にも寄与することも明らかになっています。
※在来工法の耐力壁に比べ、エアパス工法の耐力壁の強さは1.66倍、という試験結果が出ています。(ベターリビングつくば建築試験研究センター「水平加力試験」(2016年8月3日実施)による)

性能について詳しく見る

 

動画で分かりやすく解説していますので、ご覧ください。

 

各展示場に、空気の流れが見える模型もご用意しています。

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