家づくりの際に悩むのが床面積と間取りの関係です。
土地に余裕がない場合は、部屋数を増やそうと思ったら階数を増やさなければなりませんが、高齢になると階段の移動も大変です。
一方、家族3~4人がゆったり暮らせる平屋にするのであれば、30坪程度の広さがあるとゆとりが持てますね。
こちらでは、30坪の平屋の価格相場や注意点などについて見ていきます。
INDEX
- 30坪の平屋はどのくらい広いの?
- 30坪の平屋はどんなものが実現できる?
- 30坪の平屋のメリット
- 30坪平屋の価格相場
- 30坪の平屋を建てる際の注意
- 30坪の平屋におすすめの間取り3つ
- 家づくりについて相談会で聞いてみよう
- まとめ 長く使える30坪の平屋
30坪の平屋はどのくらい広いの?
国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」によると、延べ床面積が30坪の住宅というのは、家族3人が快適に暮らせる広さであるとされています。
部屋や収納、廊下、水回りなどすべての空間を含めておよそ100平米、和室で言うと60畳の広さに収まっていることになります。
一般的に、3~4人家族が生活する場合は3ldk~4ldkの間取りが使い勝手が良いとされており、30坪の場合、3ldkでそれぞれの部屋に適度な広さが確保できるようになっています。
4ldkでは各部屋が狭くなったり、収納が不足したりする可能性があるため、快適に暮らすためには設計で工夫が必要です。
30坪の平屋は、1~2人家族に対しては広く感じられますが、5人以上になると部屋数が足りず、少々不便を感じる広さかもしれません。
3~4人で間取りを設計する場合にも多くのゆとりがあるわけではないため、無駄が生じないシンプルな間取りにするのが良いでしょう。
3~4人家族の場合はリビングダイニングを広めにとり、水廻りを一か所にまとめて夫婦共有の部屋と子供部屋、あるいは予備の部屋を確保すると家族で過ごしやすく、かつプライバシーが保たれる間取りができるでしょう。
1~2人で生活する場合は、収納を多めに確保しても広々とした個室がとれます。客間や書斎、趣味の部屋など生活スタイルに合わせた自由な空間をとることができます。
5人以上で暮らす場合は4ldkにしたいところですが、個室に十分な広さを確保するためには収納や動線などが犠牲になる可能性があります。
ロフトで収納スペースを増やす、部屋の配置を工夫して単なる通路を極力減らすなど、何らかの対策が取れないかハウスメーカーの担当者と相談してみましょう。
30坪の平屋はどんなものが実現できる?
土間サロン
30坪の平屋でも、工房信州の家の特徴である土間サロンのような、土間空間をつくることが可能です。
リビング・ダイニングと一体的な、オープンな土間空間にすれば空間の広がりが生まれます。
休日は土間で朝食を食べたり、汚れも気にならないお子様の遊び場にするなど暮らしが豊かなものになるでしょう。
また、少しクローズな土間空間であれば、近所の方とお茶を飲むスペースとして利用したり、趣味の空間や書斎などにしても良いでしょう。
2way動線
30坪という限られた面積の中でも、キッチンや水回りなどの家事動線を上手く計画することで、2way動線も実現できます。
平屋の実績も数多く持つ工房信州の家では、なるべく廊下をつくらずに最小限のスペースで無駄のない動線計画をご提案できます。
収納
30坪というと収納を取るのが難しいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、十分な収納計画が可能です。
家族みんなで使用する大きめのファミリークロークや、キッチン周りのパントリー収納、玄関周りのシューズクロークなど、暮らし方に合わせて十分な収納計画をご提案することが可能です。
ロフト
平屋でありながら「ロフト」スペースを作ることを希望する方はとても多くいます。
30坪の平屋でもロフトスペースを計画することは可能です。
ロフトはお子様の部屋や遊び場としたり、季節ものの収納スペースとすることが出来るので便利です。
天井から屋根までの空間を利用してつくるスペースなので、大人が歩くことは通常はできませんが無駄のない空間利用ができるのでおすすめです。
30坪の平屋のメリット
ライフスタイルに合わせ長く住むことができる
30坪の広さはコンパクトながら、生活に必要なLDKや水回りの他に趣味空間、個室や収納を配置することができる必要十分な規模感です。
1人暮らしから家族4人ほどまでは十分快適に過ごせる広さがあるため、子育て期から老後まで同じ家で過ごすことができます。段差の少ない平屋だからこそのメリットとも言えますね。
家族構成やライフスタイルに合わせてリフォームしながら住む場合にも、窮屈さを感じることなく、また持て余すことなく空間を上手く使える規模感と言えるでしょう。
間取りに自由度がある
家を建てたら家事がしやすい動線や老後も快適に過ごせるバリアフリー、使い勝手の良い豊富な収納など実現したいことがたくさんありますよね。
ところが回遊動線やシューズクローク、幅の広い通路などにはある程度の空間の余裕が必要です。
家族構成や個室の数などにもよりますが、30坪の広さがあれば比較的間取りに自由度があります。機能性だけでなく、書斎や家族みんなで使える畳コーナーなどを設けても良いですね。
平屋であれば、土間サロンや各部屋から眺められる中庭、ウッドデッキなど外と繋がる空間があるとより自然と一体の暮らしを楽しむことができます。
コミュニケーションとプライバシーの両立
30坪の広さがあれば個室を2~3室とることができるため、子ども室や寝室を無理なく確保することができます。
ところが一般的な2階建ての場合、2階に個室を設けると1階にいる家族からは様子が分かりにくくなります。
その点、平屋であれば全ての機能がワンフロアに集結しているため、顔を合わせる機会が増えます。子どもの気配が感じやすい、様子が分かって安心といった声が多く聞かれます。
小さな子どもがいる家族だけでなく、高齢の家族が居る場合にも様子が分かりやすくコミュニケーションが取りやすいでしょう。
30坪平屋の価格相場
一般的に、平屋は2階建てと比べて割高になりがちです。
30坪の家を建てる場合は、建ぺい率や外構、駐車場や庭などのスペースも考慮して土地を用意しなければなりません。
土地代に関しては地域によって価格差が激しいので十分検討してから購入しましょう。
長野県は住みやすい立地の割に地価が安く、土地の購入は都心部と比べてハードルが低いといえます。
しかし、建築費に関しても都道府県によって坪単価が異なりますので、注意が必要です。
価格相場は、一般的には人口の多い地域や観光地の坪単価が高額になる傾向が見られます。
都道府県別に見ると東京都の坪単価が83.3万円、次いで沖縄県、京都府、神奈川県が75.8万円となっています。
一方、最安値の富山県では坪単価が44.5万円、次いで佐賀県、秋田県、新潟県がそれぞれ61.4万円です。
ちなみに、長野県では坪単価は65.6万円、30坪の家を建築した場合の平均価格は2,000万円弱となっています。
全国的に見ても、比較的安く家を建てられるエリアと言えるでしょう。
もちろん、施工会社をどこにするか、そしてグレードや設計によっても坪単価は異なりますが、30坪程度の家でも大きな価格差になるでしょう。
ハウスメーカーと工務店を比較した場合には、同程度の住宅であれば地域密着型の工務店の方が安くなる傾向が見られます。
一方で、ハウスメーカーは幅広い人脈や流通経路を活かした自由度の高い設計が可能です。
また、家族がより快適に生活できるようにセミオーダーやフルオーダーの住宅にした場合は、坪単価が割高になります。
予算を念頭に置いて何を優先させるべきか考えるようにしましょう。
30坪の平屋を建てる際の注意
30坪の平屋を目安に設計する場合、このケースならではの注意点がいくつかあります。
以下に失敗しないためのポイントを見ていきましょう。
土地を購入するときは敷地の広さと周辺環境を確認する
平屋にする場合、建ぺい率を考えると土地は余裕をもって用意しなければなりません。
地域にもよりますが、建ぺい率50%の土地で30坪の平屋にする場合は、60坪以上の土地が必要です。
また、長野県は車の所有率が高いですが、自家用車を保有するなら台数に応じて駐車場スペースを設けなければなりません。
さらに、庭も作りたいとなると70~80坪以上を目安に土地を探す必要があります。
また、周辺環境も大切です。
周辺の住宅が高階層であったり高台に建てられていたりする場合、平屋では日照や採光に影響があります。
常に見下ろされている状態になるのでプライバシーの配慮も必要なため、設計する際に工夫しなければなりません。
風の流れや採光を工夫する
平屋は窓などの開口部を多く作ることが可能な反面、平面に広がっていくため家の中心になるほど外からの風や光が届きにくくなります。
30坪のある程度広さのある平屋では特に注意を払って間取りを作っていきましょう。
風にはその地域特有の風向があります。
気象データや周囲の建物、自然環境や地形を考慮し、風を取り込みやすい窓計画をしましょう。
室内に風の通り道を作ることで、熱気と湿気を逃がし、夏もエアコンに頼りきりにならず自然の力を借りて節電に繋げることができます。新鮮な風の気温や香りから四季を楽しめますよ。
また冬場は特に採光が大切です。明るさの確保はもちろんのこと、室温にも大きく関わります。
夏の強烈な日射を防ぎつつ、冬はしっかりと陽を取り込む方位や軒の長さを計算し決めていくことが大切です。平屋の中心部にも光が届くよう、家の形や窓の配置を検討しましょう。
断熱対策をする
平屋は地熱、日照両方による熱の影響を受けやすく、夏は暑く冬は寒く感じます。
そのため、屋根や壁に断熱材を入れる、気密性の高い住宅にする、二重ガラスの窓や断熱効果の高いカーテンを取り付けるなどの工夫が必要です。
特に平屋は屋根の面積が大きいため、屋根材や塗装、断熱材などで対策を十分に講じておきましょう。
また、ロフトなどで天井を高くしている場合、エアコンが効きづらくなります。空調と室内のスペースの利用、どちらも考慮した間取りを考えましょう。
30坪の平屋におすすめの間取り3つ
家族構成にもよりますが、平屋で快適に過ごすための間取りにはどのような工夫がされているか見ていきましょう。
L字型、コの字型で光や風を取り入れる
階段がなくバリアフリーな空間を実現しやすい平屋ですが、その反面、寝室や子供室といった個室が平面的に並ぶため、採光や通風の条件が悪い部屋が生まれやすくなってしまいます。
その点を解消するためにL字型やコの字型の平屋もおすすめです。
広い土地がある場合、L字型やコの字型の平屋にすれば、採光や風通しに優れた家を建てやすいです。
更にウッドデッキやテラスと組み合わせることで開放感も感じやすく、中庭を整備すれば室内からの眺めも良く、快適に過ごせるでしょう。
ロフトと高窓で収納と採光の問題を解決
できるだけ部屋を広くとりたい場合は、天井を高くしてロフトを収納スペースにする方法があります。
その際、高窓をつけると外からは見えにくく、光を取り入れることができて便利です。
シーリングファンを取り付けておけば、天井が高い場合でも常に空気が循環するのでおすすめです。
ロフト収納は大人が立って歩くことは出来ませんが、季節ものの収納や頻繁には使わないが残しておきたいものの収納として重宝します。
子ども部屋にロフトを計画すると遊びが生まれ、お子様も大喜びですね。
多目的な土間サロン
全ての空間が地面に近く、外との繋がりを感じられることがメリットの一つである平屋。
せっかくなら自然がより身近となる空間があると暮らしが豊かになるのではないでしょうか。
30坪の一部、例えばリビングの一部を土間サロンにすれば家族みんなで楽しむ特別な空間となるでしょう。休日には窓を開け放ってみんなで食事をしたり、子ども達が遊ぶ空間、植物やペットを愛でる空間に。外を見ながらの陶芸や絵画、裁縫など創作活動の場にもぴったりです。
玄関と繋げて気軽に使える来客スペース、アウトドアギアのメンテナンス、薪ストーブも据えて炎を眺めながらしっぽりとお酒や読書を楽しんでもいいですね。
土間の続きにウッドデッキを設けたらさらに、外のような中のような、自由で使い勝手の良い空間が広がります。
あると暮らしの幅が広がる土間サロンは30坪の広さがある平屋にもおすすめです。
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まとめ 長く使える30坪の平屋
このように、30坪の平屋は子供が1~2人程度いる、あるいは今後増える前提として設計するのに適している住宅です。
将来的に子供が独立して高齢者夫婦の世帯になってからも、平屋ならば生活がしやすいですし、ゆったりしていながら家の管理が容易な広さなので、暮らしやすいでしょう。
家族構成や将来的な変化も踏まえ、検討してはいかがでしょうか。