2階建ての家屋が多い中で、平屋を選択するなら、よりオリジナリティを追求した外観デザインにしたいと望む人は少なくはありません。
しかし平屋は数が少なく、参考になるおしゃれな外観を見つけるのは大変です。
このコラムでは、主に長野県で平屋を建築したい人に向けて、平屋の外観デザインで大切になるポイントや失敗する原因のほか、オシャレなデザイン例などを紹介します。
INDEX
- 平屋の外観デザインで失敗する原因と対策方法
- おしゃれな外観デザインにするためのポイント
- おしゃれな平屋の外観デザイン例7選
- 平屋の外観は機能性とデザイン性のバランスが大切
- 家づくりについて相談会で聞いてみよう
- まとめ
平屋の外観デザインで失敗する原因と対策方法
平屋の外観はおしゃれにしたいと思っていても、デザインにこだわり過ぎて実用性がなくなってしまえば、平屋住宅での生活をスタートさせてから後悔するでしょう。
外観のおしゃれさも大切ですが、住み心地をイメージできなかったことで失敗するケースも少なくはありません。
テラスと庇の有無
よくあるのが、すっきりとした外観を求めるあまりにテラスを設置しないケースです。
2階がない平屋で洗濯物を干す場所は、当然ながら1階になります。
サンルームや洗濯乾燥付きバスルームなどを設置していても、洗濯物が多い場合や温暖な季節などでは外干しがしたくなる人もいますし、家屋の中で洗濯物を毎日干し続ければ湿気の問題も出てきます。
また、テラスを設置して庇を作らないケースでも後悔する傾向にあると言われます。
長野県など自然が豊かなエリアでは、季節ごとに野鳥などのフン害を受ける可能性もありますし、枯葉が溜まりやすくなったり雨や雪の影響を受けやすくなったりするかもしれません。
加えて、庇がないために直射日光の影響で塗装や素材の劣化も早まり、リフォームの回数が増える場合もあります。
建築した後にテラスや庇を増築すれば外観のバランスは崩れやすくなってしまうでしょうし、テラスを作るスペースが庭になければ作れません。
平屋は屋内から窓を通して見えるテラスによって空間を広く感じさせる演出も可能です。
外観重視でテラスを排除するよりも、今一度実用性に着目すると後悔が少なくなるでしょう。
窓のとりかた
壁面のほとんどが窓の平屋に住みたい人も多くいますが、テラスと同様に住み心地に影響が出る場合もあります。
例えば長野の美しい自然を生活の中で楽しむには、大きな窓があると良いかもしれません。
開放感も生まれ、冬の晴れ間などでは暖かな日差しも室内に取り入れられますし、外観的にも個性的でスタイリッシュなイメージがあります。
しかし、窓の設置場所によっては外部から生活空間が見えやすくなるでしょう。
人の視線を感じるからと言ってカーテンなどを取りつければ、風景を楽しむための大きな窓を設置する意味がなくなってしまいます。
大型の窓を外観デザインに取り入れるには、外部からの見え方や間取りのどの部分に設置するのかを良く考えると後悔せずに済むでしょう。
お気に入りをデザインに組み込む
実用性だけでなくデザインの手順で失敗するケースもあります。
例えば、外壁に使う素材で気に入ったカラーリングや風合いの物を見つけたとします。
しかし、気に入ったパーツを中心にデザインを構築するのは意外に難しい手段です。
平屋の外観デザインは統一感を重視すると成功しやすく、おしゃれな雰囲気に仕上がると言われています。
外壁や屋根、玄関扉などを決定する際にはバラバラに考えず、平屋の全体像をどうしたいか明確にして、先にデザインをイメージしてから使用するパーツを決定すると良いでしょう。
おしゃれな外観デザインにするためのポイント
カラーリングと素材感
外壁のカラーリングや風合いは平屋の印象に大きく影響する部分です。
例えば黒一色やモノトーンの外壁にしたい場合、かなりシャープなイメージのデザインになるでしょう。
一方で、温かみが感じられない印象も受けるカラーリングとも言えます。
しかし、木製サイディングなどを使用すればモノトーンであっても自然素材によって温かな印象を生みやすくなるでしょう。
ピンクやイエローなどのかわいいカラーリングにしたいが、スタイリッシュなイメージも欲しい場合は、金属製サイディングなどを選択すれば都会的な印象も受けるデザインになると言えます。
外壁のカラーリングは、素材の持つ雰囲気と一緒に考慮してバランス良く決定するのがポイントです。
屋根のデザイン
平屋の屋根は外壁同様に外観デザインを左右しますが、一般的に、屋根が低ければ和風な印象に、高ければ洋風な印象にしやすいと言われています。
また、シンプルな平屋に多い屋根の形状は片流れ屋根です。
平面的な屋根を傾斜させて設置したデザインで、洋風でも和モダンでもポピュラーに取り入れられています。
傾斜させる方向や角度によって正面から見えるイメージが変化しますし、軒を大きくするのか、小さくするのかでも全く異なるイメージになるでしょう。
平屋の屋根は目につきやすい部分ですので、外壁の素材やカラーリングとのバランスも大切に決定する必要もあります。
平屋の代表的な屋根を三つご紹介します。
切妻
切妻屋根は、最頂部から二方向に勾配を付けて下した屋根です。箱に本を開いて被せたような形をしており、最もシンプルでポピュラーな形の屋根です。
和洋、どんなテイストの家にも合う万能なデザインです。
小屋裏換気がしやすく、雨漏りのリスクが低いといった性能面でもおすすめ出来ます。
陸屋根
陸屋根とは屋根勾配のないフラットな屋根のことを指します。
軒が出ず、すっきりとスタイリッシュな印象になるためモダンな家を建てたい方におすすめです。
水はけの悪い形状のため雨漏り対策が必要です。
寄棟
寄棟とは屋根の最頂部から軒先に向かって四方向に下り、面が四つある屋根のことです。
正面から見ると台形、横から見ると三角形の屋根が、どっしりとした落ち着きのある印象を与えます。
こちらも和風洋風どちらにも合うため、お好みの外壁や屋根材、カラーと合わせることが出来ます。
周辺環境との相性
おしゃれな家屋は家そのもののデザインも大切ですが、周囲の環境と調和がとれているのかも大きなポイントです。
例えば長野の大自然に溶け込む平屋にしたいなら、ナチュラルなイメージがある外壁やデッキなどが取り入れやすくなるでしょう。
シンプルな白い外壁に木製の窓枠や玄関扉を合わせるなども、周囲の緑と調和しやすくなります。
自分の好みを追求した外観デザインも良いですが、住宅街でも森林が多い場所でも、家を建築するには景観を大切にすることでおしゃれさが演出しやすくなるものです。
おしゃれな平屋の外観デザイン例7選
白い外壁が目を引く片流れ屋根の平屋
黄色みを帯びない真っ白な外壁が清潔感を漂わせます。屋根もライトグレーの色味とし軽やかさを表現、壁と一体感があります。
土間の下屋部分はダークブラウンの板張りとし、外観にアクセントを加えています。
ブラックの枠の大きな窓がカフェやショップのようで目を引きます。
敷地内のログハウスや蔵と色味を合わせ、風景に馴染むよう考慮しました。
屋根は片流れですが、大きく設けた下屋が逆方向に下り、バランスが取れています。
すっきりとシンプルな外観に、カラーが映える平屋となりました。
ナチュラルなカラーが風景と調和する平屋
シンプルな切妻屋根の平屋です。故郷に建てた家、大切にしたのは風景との調和でした。
屋根の勾配を緩くし、背後の山並みと調和する形状となっています。
屋根については厚みまで検討し、少し薄くすることで軽やかな印象となりました。
軒は少し長めに出すことで、安定感のあるバランス良い見た目と、夏の日射を遮る実用性を両立しました。
カラーは板張り部分も塗り壁部分と同系色でまとめ、周囲の自然からとったようなナチュラルな色合いで仕上げています。
横に並んだ掃き出し窓もアクセントとなっていますね。
グレーの塗り壁と片流れ屋根がスタイリッシュな平屋
グレーの塗り壁と勾配の急な片流れ屋根がスタイリッシュな平屋です。
玄関ポーチと窓、カーポートをダークブラウンの板張りで統一し、アクセントとしています。
道路側は視線を考慮して窓を最小限に絞り、シンプルな印象に。
庭側には大きな開口とウッドデッキを設け、外との繋がりを楽しめるよう計画しました。
フェンスや窓枠はブラックを採用し、締まりのあるデザインの平屋となっています。
また玄関脇の植栽が柔らかな印象をプラスし、よりバランスのとれた外観となりました。
蔵と調和する平屋
敷地内の蔵や石垣に松、竹林と、和の香りが漂う土地に建築した平屋です。
もともと都市部にお住まいだったご夫婦がアルプスの景色に見惚れて移住を決意し、購入した土地での計画。
蔵と色味を揃え、昔からそこにあったように馴染む外観としました。
和風にするポイントは腰壁や妻側の面格子、ダークブラウンの窓枠に縁側などがあります。
切妻屋根はどんなテイストにもよく合いますが、和風の家にもぴったりです。
シンプルで素朴な、新築なのにどこか古めかしさも感じる外観に仕上がりました。
板張りの外壁とタープを張ったような屋根の平屋
キャンプ好きのご夫婦のカラーがにじみ出る、山小屋のような、ラフな印象の平屋です。
板張りはメンテナンスが必要になるため難色を示す方も多い中、ご夫婦はむしろ手をかけたいとおっしゃいます。
板の色は木本来の色味が生きるクリア塗装としています。
屋根は見る方角によって全く異なる表情を見せる独特な屋根です。
一方から見ると片流れ、もう一方から見ると小屋のような三角形、また違う一方から見ると二辺の勾配と長さの異なるタープを張ったような屋根に。どこから見てもかっこいい外観となりました。
白木の板張りがアクセントの平屋
淡いベージュの塗り壁がベースの平屋。敷地内新築のため、既存の母屋や和風の庭との調和も考慮しました。
片流れ屋根のシンプルな形状と主張をしないカラーでまとめた外観ですが、外土間の壁を白木の板張りとし、アクセントとしています。
ブラックの窓枠がスタイリッシュな印象で、外観を引き締めています。
印象的な煙突や窓枠、地窓などシンプルながらも各所にこだわりが見て取れる洗練された平屋となりました。
縁側が和の風合いを醸し出す平屋
りんご畑に隣接する平屋の家。
どこか懐かしい感じのする縁側は、畑仕事の休憩に腰掛けたり物を置いたりと実用性が高いうえ、外観のアクセントにもなるこの家にとって外せない部分です。
クリーム色の外壁にダークブラウンのアクセントカラーがよく合い、落ち着いた印象ですね。
妻側には面格子を取り付け、和の趣がある外観にまとまっています。
また軒天は板張りとし、見上げた時に木の表情が楽しめるようになっています。
リビングに面した掃き出しの窓からはのどかなりんご畑を臨み、風もよく通る窓計画です。
平屋の外観は機能性とデザイン性のバランスが大切
後悔しない平屋を建築したいなら、住み心地を重視しながらデザインを考えるのが大切です。
デザインばかりを重視すると、生活に支障が出たり、景観を損なったりしてしまいます。
平屋はシンプルなデザインをベーシックに外壁の素材やカラーリングだけでなく、屋根や窓の形状や配置の仕方でオリジナリティーを演出し、おしゃれな印象を出しましょう。
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まとめ
二階建てとは異なり、屋根まで視線が届きやすい平屋の外観。おしゃれにまとめるためのポイントをご紹介しました。
外観は全体のバランスが大切です。カラーや素材、屋根の形や窓の大きさなど決めることはたくさんありますが、イメージに沿って複合的に決めていきましょう。その際デザインだけでなく、視線や断熱性など実用面も考慮すると快適に過ごせるでしょう。また、より広い視点で地域や風景と調和するかという点も考えてみてはいかがでしょうか。ポイントを参考に素敵な平屋を計画してください。
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