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耐震住宅とは何か、メリット・デメリットを紹介

公開日:2021/08/02(月) 更新日:2021/10/20(水) 家づくり

住宅の外観

日本は常に大規模な地震がきてもおかしくはない、世界有数の地震多発国。
新築の家を建てる際、地震に強い家であるかどうかは、必ずチェックしておきたいポイントです。

では、地震に強い家、「耐震住宅」を建てるには、何を知っておく必要があるのでしょうか?

今回は、そんな「耐震住宅」の特徴や、メリット・デメリット、注意すべき点をご紹介していきます。
これから新築で家を建てたい、という方や、今住んでいる物件に耐震性能を取り入れるかでお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

INDEX

 

 

耐震住宅とは?

耐震住宅とは、地震の揺れに強く、耐震性のある「耐震性能」をもった住宅のことです。
具体的には、震度5程度の揺れでは構造躯体に損傷を生じず、震度6強~7程度の揺れの場合は倒壊しない住宅のことを指します。

この耐震住宅には「耐震構造」という地震に強い構造形式が取り入れられており、これは最も一般的な地震対策のための構造となっています。
この構造にはいくつかの原理がありますので、以下でさっそくご説明していきます。

 

 

耐震住宅の原理

では、地震に強い耐震住宅に取り入れられる「耐震構造」の原理とは、どのようなものなのでしょうか。
具体的にみていきましょう。

住宅の柱と梁

まず、耐震構造では、建物の基本部分となる柱など、垂直方向の骨組みを補強することで、地震により発生する水平方向の力に抵抗することが重要となっています。

建物には、常に居住者や内部の家具といった積載物の加重がかかっていますが、これは垂直にかかる負担です。
それに対し、地震の揺れで生じる力は水平方向にかかる負担であるため、いかにこの垂直部分の骨組みを強化しているかが重要となるのです。
そのために、柱の部分だけでなく、耐震構造では地震に耐えるのに重要な「耐力壁」といった壁を必ず設けます。

「耐力壁」とは、2本以上の柱に、筋かいまたは面材といった板状の材料を留めつけ、構造的にみても地震に耐えられる壁のことです。
この耐力壁は設計字に構造計算をおこなったうえで、家の必要箇所に取りつけられます。
また、地震では下の階にいくにつれて地震の影響を受けやすいとされているため、1階部分に多く耐力壁が設けられる傾向があります。

それ以外にも、柱や梁、筋交いといった材の接合部分に必ず構造用金物を設置することで、地震への抵抗力を高めています。

ベタ基礎

ここまで、建物の「上屋」の部分に注目してきましたが、耐震構造を高めるうえでは、建物の基礎部分の構造も重要となっています。
特に基礎部分は家を支える重要な箇所です。
基礎部分としては、基礎の底盤部分を一体とした「ベタ基礎」が地震に耐えられる基礎としてもっとも有名なものです。

このように、耐震住宅には、柱や梁、壁、そして基礎に至るあらゆる箇所まで、地震に強いものを採用している必要があります。

 

 

耐震住宅を取り入れている人の割合

では、新築住宅を建てる際、耐震住宅を採用する人はどのくらいいるのでしょうか?

まず前提として、建築物を建てる際に「建築基準法」といった法律により定められた耐震基準を守る必要があるため、現在はどの建築物でもある程度地震に耐えられるような性能が備わっています。
ここでご紹介するのは、それよりもさらに耐震性能を上げるために工夫された、「耐震住宅」を建てた方の割合です。

2017年に実施されたアンケートによると、「住宅に耐震性能を取り入れていますか?」の質問に対し、耐震性能を取り入れた住宅に住んでいる人は206人中97人、半数にも満たない結果となりました。
日本は地震の多い国ですが、まだまだ耐震住宅が普及しきれていない様子がわかります。

耐震住宅を取り入れている方の内訳としては、施工業者に勧められて施工をおこなった方、もともと耐震性能の備わったマンションなどの賃貸住宅に住む方などさまざまです。

一方、耐震性能を取り入れていないという方からは、予算的に厳しいという方、すでに既存の物件に住んでおり、建物が古くなっているため今更取り入れても仕方がない、などの声が挙がったようです。
既存の物件の場合、建築年数が経ちすぎていると、耐震性能を備える施工をおこなったとしてもその効果を十分に得られない場合もあるため、この結果は妥当なものといえるでしょう。

※アンケート結果引用元:フリーダムアーキテクツデザイン

 

しかし、これから住宅を建てるという方にとっては、耐震性能を取り入れた住宅をおすすめします。
これから、耐震住宅のメリットやデメリットについてご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

 

耐震住宅のメリット・デメリット

では、耐震住宅にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
耐震住宅を建てる際は、こうしたメリット・デメリットをしっかりと把握しておくことは必要不可欠です。
さっそく、みていきましょう。

 

メリット

耐震住宅には、地震対策のための費用を安く抑えられ、工期を短縮できるといったメリットがあります。
地震対策のための性能としては、耐震性能、免震性能、制震性能などがありますが、免震性能や制震性能によって住宅を被害から防ごうとする場合、設置費用は約数十万円から数百万円が必要となります。
それに対し、耐震性能を備えた耐震住宅は、この2つの住宅に比べて費用を安く抑えることができるため、経済的でありながらも、安心に暮らすことのできる住宅なのです。

また、地震だけでなく、台風などの災害による揺れも軽減することができます。
日本は地震だけではなく、台風や強風などの影響も多い国です。
そんななかで、耐震住宅を採用すれば、地震だけでなく、あらゆる揺れをともなう災害から家を守ることができます。

さらに、耐震住宅には設置制限がありません。
柔軟な設計にも耐えられる構造のため、地下室を設置したいという方など、自由な設計をしたい方にもおすすめの、自由度の高い住宅といえます。

 

デメリット

耐震住宅は、メリットの一方で、デメリットも存在します。

1つ目としては、耐震住宅で地震がきた場合、住宅が損傷するリスクが高まります。
耐震住宅は、地震の揺れがダイレクトに住宅に伝わる構造であるため、地震で内部を守れても、ヒビや劣化などのダメージにつながりやすいのです。
そのため、度重なる地震がきた場合は、家の劣化につながってしまいます。

2つ目として、耐震住宅は地震の揺れが住宅に直に伝わることから、住宅内部の家具が転倒しやすいといった点が挙げられます。
家具の転倒は、場合によっては住人の大けがにつながります。
また、家具が転倒することで、火災などの二次災害を引き起こし、取り返しのつかない事態になってしまうこともあります。
こうならないためにも、耐震住宅の場合は家具の転倒防止をおこなっておくと、地震がきても身を守ることができるでしょう。

 

 

まとめ

ここまで、耐震住宅についてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。
東日本大震災や熊本地震が相次ぎ、家の耐震性に対する意識が高まっています。
日本は災害の多い国だからこそ、こういった対策はしっかりとおこなっておきたいですね。

また、私たちフォレストコーポレーションは、長期優良住宅に認定され、耐震等級3の基準をクリアする高性能な住宅を提供しています。
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